矢絣とは?その活用方法と昔話しをご紹介!
文様とは衣服や陶器などに描かれた柄のことで、色々な想いや願いがこめられています。こちらの記事で手軽に知っていただき深い魅力の入り口にしていただけると幸いです。
またこの柄の意味を知ることで、
・込められた願いを身近に置いて活用
・各地で、この柄を見つけたときの興味。
・この柄を結婚、上京祝いの贈り物に。
・贈り物と一緒に物語を1つ添えてみたり
・スピーチや誰かに話すネタ
などに役立ててみてはいかがでしょうか。ここに載っていない物語が何かあれば教えてくだい。ぜひ参考にさせていただきます。
矢絣に込められた願い
矢絣は
矢絣「やがすり」は破魔矢の羽根の部分が並び、図案化したデザインになります。破魔矢は厄を除け、邪気を払いチャンスを射る。といわれる縁起のいい文様です。
矢は一度放たれれば真っ直ぐ飛び、戻ることが無いため「邪魔を退け、真っ直ぐに」「出戻りしないように」そんな願いが込められています。どんな事にもトラブルがありますが、矢のように真っ直ぐ進みたいものですね。
由来
別名、矢羽根絣(やばねがすり)、矢筈絣(やはずがすり)、矢飛白(やがすり)とも言う。のちに小紋にも矢羽根模様が使用されるようになり、矢羽根模様を指して矢絣と呼ぶようになった。
矢絣にまつわる物語
破魔矢
矢絣(やがすり)は、別名「矢羽根」とも呼ばれ、昔は武家の武具や神事に使われていました。お正月に神社仏閣で授与される破魔矢には「不幸を射抜き、幸運を射止める」という意味があり、魔除けの縁起物として親しまれています。
そのため、矢絣も魔除けの縁起物として和装に取り入れられるようになりました。
男子も矢絣柄を活用
端午の節句は、鯉のぼりや五月人形など男の子の健やかな成長を願う日本の伝統行事です。その中で、男の子の着物にこの柄も見られます。
矢絣柄は、真っ直ぐ飛ぶ矢をモチーフにした伝統柄で、魔除けや厄除け、そして男の子の力強い成長への願いが込められています。
矢絣の絣(かすり)とは?
糸を染めてから織る「先染め」技法で作られる織物で、糸を織りあげてから染めるのが「後染め」というものです
矢絣の遠い記憶
桃山時代〜(1568〜1600年)
矢絣は元々は矢羽根をモチーフにした織物のことで、この時代の武士は着物として着用し。矢羽根の模様そのものも矢絣と呼んでいる。
江戸時代〜(1603〜1868年)
「一度放った矢は戻らない」「出戻らない」願いを込めて、嫁入り道具に矢絣の柄の着物を持たせる風習が生まれた。江戸後期には、縁起ものとして結婚の際にも使われるようになりました。
明治時代〜(1868〜1912年)大正(1912〜1926年)
この時代から大正時代にかけて数多くの女学生が矢絣の着物を袴に合わせ着用したことで、学生服の定番となる。
「日本の古典的な文化」と「西洋の革新的な文化」を融合させた「大正ロマン」という文化が生まれ、袴にブーツを合わせることが流行しました。
昭和時代〜(1926〜1989年)
1975年漫画『はいからさんが通る』=(大正時代の女学生の物語)の主人公が矢絣の衣装を着ていた。ことで女学生の袴に矢絣のイメージを持たれている方もいるかもしれません
現代
近年でも卒業式の袴や着物のコーデとしても見かけるようになり、現代でも矢絣柄は人気です。