日本家屋「建具」とは?
建具(たてぐ)の建築用語を調べると
専門的な言葉がでてきて混乱しますよね。
初めてみる単語を調べると
さらに分からない単語がでてきたり
戸が分からず調べたのに◯◯戸と
説明されるため理解がむずかしかったです
こちらの記事では1つ1つの単語を事前に調べ
難しい単語をわかるような言葉で解説。
この記事を読むことでカテゴリーが分かり
全体がみえてスッキリします
また歴史を知ると、愛着が湧きますし
名前や全体がわかると自宅のリフォームや
お家を建てる時の要望のしやすさなど
検討の材料にもすることができます
建具(たてぐ)とは?
建物の内外を仕切る開口部につける
「建物の家具」のようなものです
その役割は
人に対する防犯効果もありますが
人の視界や視線。光、風、熱、音、雨の
出入りを調整する役割があります。
江戸の庶民にまだ鍵が普及していなかったため
当時の人々にとって防犯性への意識が
今よりも少なかったことがうかがえますね
大きく2種類の建具
建具をカテゴリー分けすると…
建物の外壁につける「開口部材」の総称を
【外部建具】といい、この中に…
・窓建具(窓、サッシ)
・外構建具(フェンス、門)
◯◯戸(格子戸や雨戸)があります。
部屋同士を仕切る、出入り口の部材の総称を
【内部建具】といい、この中に…
・収納建具(クローゼット)
障子戸、襖、屏風、欄間、衝立があります
内部、外部と大きく2つに分かれていて
それぞれに開閉方法と◯◯戸がある
というわけなんですね。
建具の「戸」24選!こちらにまとめました
「戸と扉」の違い
明確な決まりがないようですが
漢字の成り立ちから考えてみました。
【戸】とは? 上の画像。左の絵
戸が片開きを表すことから
片開きする戸を指します
【扉】とは? 上の画像。右の絵
漢字では戸の下に非と書き、
非は左右に背くを表すことから
戸が左右に背き、両開きする戸を指します。
平安時代の区別の方法としては
戸はお店にあり、扉は門にあるもの。とし
用いられる建物や場所によって区別。
現代では回転式の開き戸を扉と
しているのですが、全ての建具の名前に
「◯◯扉」 「◯◯戸」と
名付けられていないため、名前から推測できず
理解が難しくなっているんです。
建具の遠い過去
飛鳥時代593〜
現存する木製の最古の建具は、
聖徳太子が建てたとされる
奈良県の法隆寺金堂(世界遺産)の
板戸(板で作った戸)と言われています
法隆寺の建具には
組子細工(木だけで組む技術)の
装飾が施されていました。
平安時代794〜
人々の暮らしの中で
「寝殿造しんでんづくり」という貴族の住居に、
建具は備えられるようになり
装飾もふくみ発展していきます。
源氏物語の建築様式で有名なようです。
室町時代1333〜
簡素な武家屋敷の様式を
「書院造しょいんづくり」といい、
現代の和室のはじまりとれます。
外部に障子や板戸、雨戸で仕切られ、
襖(ふすま)には鮮やかな絵を描き、
障子や欄間などを装飾する座敷が誕生し、
進歩をとげていきます。
江戸時代1603〜
建具は実用性だけではなく
デザイン性と技術も注目され、
江戸の職人が競い合い
多くの組子細工が生まれました。
1831〜1845
建具師という記録があります。
初代、足立屋倉吉が
江戸城の建具を引きうけた際
御用建具師と名乗る事をゆるされた。
これが最も古い建具師としての記録。
明治時代1868〜
海外からの技術アルミサッシなどが
取り入れられました。
書院造と寝殿造
建物の構造からみる
建具の違いとは?時代による様式の違い
平安時代794〜(寝殿造しんでんづくり)
上流階級のみが住んでいた建築様式
部屋というより大きい建物を廊下で繋ぐ。
この時の建具は襖や障子戸のような
仕切りはまだなく
「屏風」や「すだれ」などで仕切られ
床は板の間に大きめの畳を置く構造で
寝殿を中心に自然が広がり
大きな池や庭がありました
室町時代1333〜(書院造しょいんづくり)
武家階級を中心に広まった建築様式。
建物の中に部屋。それを廊下で繋ぐ。
この時代には壁があり
建具は、障子や襖で部屋が仕切られました
床が畳の間(座敷)で
和室のはじまりとされています。
庭は「枯山水 かれさんすい」という
白い砂と石で水を表現した
美しい庭であったとされています。
まとめ
建具は階級に応じた
生活様式で用いられてきましたが
時代がすすみ、日常に普及されてきました。
その中でも新しい機能性や風情ある外観など
職人の追求が、昔から今に受け継がれ
現代に届いています。
今回は、建具の戸について調べると
「◯◯戸」が全部で20個以上ありましたが
文字量が多く、書ききれなかったため
見た目と名前が理解できる「戸」を解説。
建具の「戸」24選!
詳細をこちらへまとめました。
日本の建具の「戸」についてさらに詳しく
知ることで、検索や買い物に活用しては
いかがでしょうか。
最後までありがとうございました