紅葉〜もみじ
灯りを使って楽しいことを考える
灯り作家の「わひろ」です。
今回は、秋の風物詩「紅葉」の
現代と過去を調べてみました。
こんな方におすすめ!
・活用方法を知りたい! ・誰かに贈り物をお考え ・歴史やエピソード探し
こちらの記事では、紅葉の活用方法や
古墳時代まで遡って昔ばなしをご紹介。
紅葉の現代と過去を知ることで
きっと愛着が増し好きになります。
もしも「贈り物」をお考えであれば
ぜひ気に入った物語を読み
知識としてお相手に話してください。
プレゼントの価値がきっとあがります!
紅葉の基本情報
紅葉 ・モミジ
別名 ・妻恋草、色見草
原産地 ・アジア、ヨーロッパ
・北アメリカ、北アフリカ
英名 ・Japanese maple
学名 ・Acer palmatum
ムクロジ科 カエデ属
開花時期・4月~5月(花(緑の葉))
・10月~12月頃、紅葉していきます
誕生花 ・10月3日・10月25
・11月10・11月18
種類 ・紅葉モミジ/楓カエデは総称で
・イロハモミジ ・ヤマモミジ
・オオモミジなどの種類があります。
「紅葉モミジ」の由来
「もみじ」は揉んで、染めだす紅色。
紅色の(紅を(もみ)と読む)が語源で
・赤や黄の葉を揉んで布を染める
「揉み出づ(もみいづ)」という
動詞が省略されたものという説があります
・また古語に「紅葉つ/黄葉つ」を
「もみつ」という動詞があり
葉が、赤や黄に色づく。という意味です。
「もみち」から濁音化して「もみぢ」と呼ばれ
紅(もみ)くなった葉という字が当てられたと
考えられています。
紅葉は、紅を「もみ」葉を「ぢ」ではなく
紅葉、二つで「もみじ」と読みます。
「楓カエデ」の由来は
葉っぱの形がカエルの手に似ているから。
漢字の成り立ちをみてみると、木と風で
「大きな木に風を受ける帆」と
「風雲に乗る辰」から成り立っているようです
日本では楓の元は「槭」と書きますが
これを中国では「槭树」と古くは表記し
槭树は英名では「maple」という意味となり
mapleは日本語で楓という意味になります。
「紅葉と楓」の違い
植物の分類学上「楓カエデ」と「紅葉モミジ」
同じムクロジ科カエデ属の同じ植物で
海外では区別せず「maple」とされています
日本での「カエデ」と「モミジ」の区別は
葉の切れ込みが深く数が多いものをモミジ
切れ込みが浅く数が少ないものをカエデと
呼ぶことが一説であるようです。
日本の文字(表記)の違いを調べると…
楓と紅葉は由来、成り立ちが違いました
中国で槭以(maple)と表記されている
槭←これは楓の元でmapleという意味。
=ムクロジ科カエデ属の総称。
このことから楓カエデが元の総称で
その後、平安時代に紅葉もみじは
由来された名前だと考えています。
紅葉の活用方法
贈り物で活用!紅葉の花言葉
大切な思い出
▶︎美しい「もみじ」を見た記憶、印象から
調和
▶︎「もみじ」が周囲の自然と調和する様子から
美しい変化
▶︎「もみじ」の色が、緑黄赤へ変化する様から
遠慮
▶︎色づく葉に注目がいき、花が控えめだから
食べられる⁉︎紅葉の効果
種類によって一部、安全に処理をすれば
食べられるようです。
全ての種類がいつでも食べられるかは不明で
場所によって殺虫剤がついていたり
採取自体が禁止されていることもあります。
ポリフェノールやβ-カロテン、ルテインが豊富
抗メタボリックシンドロームや
アンチエイジングに効果があるとされています
風水に赤い紅葉を取り入れると?
温かい色は繁栄、富、成功を象徴し
モミジが手形に見え、お金をつかむとされ
特に金運にいいといわれています。
また赤色のインテリアを「東」に配置すると
情熱や熱意、やる気、生命力を増強し
健康運の向上に期待できるでしょう。
「北東」の方角に、赤い色を取り入れると
不動産運・貯蓄運などがアップ!
紅葉の絵画、置物などを飾るときの
参考にしてみてくださいね
「紅葉」の遠い過去
古墳時代約300〜
この時代に「紅葉こうよう」する現象は
日本には文字が無く、中国にはありました。
中国の西晋時代「潘岳ハンガク」という文人が
「秋興賦」という(秋を面白む書)の中で
「庭樹槭以洒落」と残しています。これは
庭の樹は「槭以(maple)」が洒落。
※洒落=さっぱりとしている。という意味
西晋時代(265〜315)の文人が残した槭以と
日本のイメージする「紅葉もみじ」が
同じ植物であったかは謎です。
より古い書物を読む機会があれば
探したいと思います!
奈良時代710〜794
この時代に「紅葉こうよう」する現象は
日本では文字として残されていて
それは万葉集。この時代では
「紅葉こうよう」ではなく
「黄葉こうよう」と書かれていました。
その後の平安時代以降に
黄葉→紅葉の文字が多用されていきます。
これは日本独自の表記の可能性!
中国の現在では…
黄葉は「叶子变色」で(葉の変色)を意味し
「黄叶」を日本語変換すると黄葉とでる
紅葉は「红枫叶」と書き、現代で使われてます
「枫叶」=葉っぱや、もみじの状態
「红叶」「红枫」=紅葉(こうよう)する現象
ということを意味します
黄葉という表記は中国では
許渾(791〜854)の『咸陽城東楼詩』の中で
見つけることができ、791年以前では調査中。
以上のことから日本では
「黄葉」は万葉集での表記が1番古い。
と考えています。
平安時代794〜1185
当時、貴族の間で始まった
「紅葉狩り」とは?
・紅葉見もみじみ ・観楓かんぷう
と同じ意味で
美しい紅葉を鑑賞するということで
和歌や宴を楽むことです。
当時の貴族たちの考え方は、
歩くは品がない。平民のする事。として
出かける際は牛車に乗ってました。
しかし、紅葉を見に行くには
野山を牛車で登ることが難しく
歩くことが必要でした。
そこで
紅葉を見ることを「狩り」とすることで
歩いても貴族として品位を損なわずに済む。
そう考え、“紅葉狩り”という言葉が
誕生したそうです。
個人的には、全く繋がりませんが
当時と現代では考え方が全く違うことが
推測されますね…
室町時代1333〜1573
「紅葉」という美しい鬼女
紅葉狩りには、人の心を惑わせる
「紅葉」という名の美しい鬼女を狩る
という意味もあるようで、それは
能や歌舞伎では「紅葉狩」という題名で
描かれ、現代に伝わっています。
これは長野県の
室町から江戸時代にかけての昔話しです
昔、信濃の国、戸隠山(長野県)で
美しい女が侍女たちと
紅葉狩りを楽しんでいました。
そこへ武将の平維茂(たいらのこれもち)が
従者たちを連れて馬で通りかかります。
女たちが高貴な身分だと聞いた維茂は、
馬から降りて挨拶をし通り過ぎようとすると
女たちに袖をひかれ、酒宴に招かれます。
美しい女の舞を見ながら酒を飲んでいるうちに
辺りがすっかり暗くなり、いつのまにか
維茂は眠ってしまいました。
すると女たちは「夢を覚ますな」とささやき、
姿を消してしまいます。
その後、維茂の夢に山神が現れ、
女たちが鬼だと教え、太刀を授けます。
目を覚ますと嵐が吹き荒れ、鬼が現れました
鬼は維茂に襲いかかり、激しい戦いの末
維茂は鬼を見事に退治したのでした。
この物語が歌舞伎であるようです。
ここまで色々と調べると、
見たいと思うようになりました(笑)
江戸時代1603〜1868
この時代になると紅葉狩りが広まり
江戸では観光で紅葉を楽しむことが本格化
字の読み書きが発達したこともあり
挿絵付きの観光ガイドブックなど
さまざまな文字の伝達がされていきます
「江戸名所花暦、名所図会」
元禄時代(1688〜1709)から
カエデ/モミジが流行し、
人々に愛されていきます
当時、染井村(染井よしの発祥の地)で
植木屋をしていた園芸家「伊藤伊兵衛」らが
まとめた園芸書『花壇地錦抄」には
100を超える品種が残っていたそうです。
しかし第2次世界大戦(1940〜)で
その多くの品種が失われたままとなっている
紅葉の女神「竜田姫」のお話
「紅葉こうよう」にはこんな昔話しが
あるのをご存知でしょうか…
日本には秋の女神「竜田姫」が
奈良県に祀られています。
竜田姫には2つ特技があり
「着物を染める事」と「織物」
源氏物語では染物の上手な女性を
「竜田姫」と表現されるほどでした。
秋を司る、竜田姫
実は日本の山を紅葉に染めるといわれ
「錦秋と豊穣の女神」と親しまれてきました
女性は「特技向上の豊作が得られるように」
男性は「この秋の努力が紅葉するように」
そんな願いを込めて
紅葉の贈り物をするとき
一緒にお伝えしてはいかがでしょうか?
海外に伝わる3つの「紅葉」
・西洋では、「もみじ」の木を魔法の杖として
おまじないに用いられた。
・北米では「もみじ」は悪霊を追い払うとし
寝室に置く風習があったようです
・また子供たちが「もみじ」の枝をくぐると
長生きをすると信じられています。
まとめ
文字は古くから見つかっているのは
中国では易経が約5000年前
日本では福岡県3500年前(縄文時代)
そこから古事記(西暦約700年(1350年前))
万葉集にも文字は残されてきました。
「紅葉こうよう」という文字としての歴史は
日本では奈良時代の万葉集「黄葉」が古く
「紅葉もみじ」という植物の歴史は
見つけることができませんでした
ですが「紅葉こうよう」の歴史から物語を
いくつか見つけることができましたので
もしも、紅葉の贈り物をするときには
ぜひ好きな物語を一緒にそえて
伝えてみてください。
きっと喜んでいただける思います。
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