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霞文様の過去

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霞文様

文様とは
衣服や陶器などに描かれた柄のことで
古くから願いがこめられています。

プレゼントや贈り物に用いられる
「文様の柄」ですがその歴史を調べてみると
さまざまなエピソードがありました。

こちらの記事では、霞かすみの遠い歴史を
かんたんな言葉で解説!

【霞文様】の物語を知ると

・愛着や興味が湧き好きになる
・誰かに話したくなる豆知識
・柄を贈り物やプレゼントに活用

自分や誰かにより一層
心のこもったプレゼントにしてください

霞に込められた願い

霞文様(かすみもんよう)とは
雲が流れる、漂う表現をした文様。

カタカナの「エ」にも似ていることから
エ霞文(えがすみもん)とも呼ばれています

山の隙間を漂う真っ白な「霞かすみ」
そんな光景が遠くまで見渡せることから
永遠」の願いが込められた
吉祥文様となります。

また俳句の世界では春、秋と季節で
季語の使い分けがあったり
一年を通してその現象がみられることも
長く繰り返すことが連想できます。

霞(かすみ)とは?

空気中に浮かぶ細かい粒子。
(水滴)(ちり)(火山灰)(スモッグ)

遠くがはっきりと見えないことや
「霧きり」や「靄もや」など
煙のようにぼんやりと見える現象。

そういえば目が霞む、とも言いますよね。

漢字の「霞」その成り立ち

「雨+叚」=まだ雨にはならない仮の姿を表し
「叚(か)」は、仮や貸す、借りるという意味。

「霞かすみ」は空の雲から水が落ちる様子、
雨(あめかんむり)と合わせて
雨の「叚」仮の姿を表現した漢字となります

「霞 霧 靄」の違いとは

「靄もや」は

気象用語で1km以内が見え10kmまで見える
という定義
があり、靄は遠くまで見渡せます。
「靄」は俳句の世界での季語はありません

「霧きり」は

気象用語で1km以内が見え1km先が見えない
という定義
があり霧のほうが見えにくいです。
俳句の世界では秋に使われる、秋の季語

「霞かすみ」は

気象用語ではなく定義がありません。
春の昼間にかすんで見えたら霞。

俳句の世界では、
春に使われるため、春の季語となり
寒さが厳しい1〜2月の霞を「冬霞」
寒さが緩む、3〜4月の霞を「春霞」と
使われています。

また夜は霞ではなく「朧おぼろといい
時間で呼び方が変わるところに驚きました

夜の霞「朧おぼろ」

少しずつ暖かくなる春。
山に広がる白透きの景色をみていると
心がスッキリし希望をもつことができます

それが明るい時に見せる「霞かすみ」です
そして夜になると朧(おぼろ)へと
呼び方が変わります。

朧(おぼろ)は夜のさまざまな万象が
霞んでみえることを指します。

例えば…
月に水神龍がかかる姿を朧月(おぼろづき
かすんでみえる遠い光を朧影(おぼろかげ
ぼんやり見える家灯りを灯朧(ひおぼろ
かすんでみえる草地は草朧(くさおぼろ
かすかに聞こえる鐘音は鐘朧(かねおぼろ

聞いたことがないものばかりで
今まで認識することもなかったです

朧は多彩に言葉がありますね。

日本における「霞」の歴史

弥生時代0〜約220

仙人の「霞を食う」の例え。

仙人は霞を食べて生きている。という意味
浮世離れして、収入なしで暮らすこと。

仙人が超人間的な力を得て存在することを
例えて言われることがあります。

中国にその始まりがあり
3世紀頃(三国時代)からこの漢字が使われ
4世紀頃「霞を食う仙人」の話がありました

昔、とある男が仙術を学び仙人に会い、
竜に乗って天上界へ行くこととなる
天上界に着くと仙人は、
一杯の飲みものを男に差し出した。

『ただ流霞一杯を以って我に与う。
これを飲めばすなわち飢渴きかつせず』

流霞(りゅうかという酒)を一杯飲むだけで、
お腹はへらず、喉も渇かなくなった
と伝えられています

平安時代794〜1185

霧も霞も、自然現象で
に見られるものを「霞かすみ
に見られるものを「霧きり」と
区別してよぶようになりました。


当時「源氏物語絵巻」などの
「大和絵(やまとえ)」や着物には
霞が描かれています。

この時代の霞は、まだ文様というより
雲のような表現がされていました。

鎌倉時代1185〜1333

霞は文様化が進み、輪郭がつけられ
エ霞(えかすみ)」といわれる文様も考案

能装束などにも使われました。

この時代の絵巻は「すやり霞」とよび
横長の霞など雲のように描かれ
その装飾化が強まりました。

室町時代1333〜1573

「霞」といえば兵庫県の「竹田城跡の雲海」

天空の城とも呼ばれ、
観光地にもなっています

城はすでにありませんが築城された
1440年頃の姿を想像してみました。

この現象は当時からあったのでしょう
雲海を浮かぶ綺麗な竹田城跡を一度は
見てみたいものですね。

江戸時代1603〜1868

霞文様は吉祥文様とした着物もつくられ、
お祝いごとの席で使われたり
唐織は能の舞台で
女性役のうわぎとして使われました

【唐織】とは?
一本の糸に白や薄緑、赤の色で段に染め
白や薄緑、金の糸で霞模様を織り込み、
菊の花やシダの葉、扇、扇子などの
模様をあしらった最高級の織物

重要文化財として文様化された着物は
現在でも博物館などに残されています。

まとめ

今回の記事では、
霞文様と霞の歴史について
ご紹介してきました。

現象としては、世界で発生していながら
弥生時代では中国での仙人の話が印象的です

日本において文字が発展した平安時代に
季語や詩、絵巻や屏風など
さまざまに表現され
後の鎌倉時代に文様化されました。

なぜ昔の日本人は
ただただ水滴が漂うこの現象に
季節や時間帯で季語をつくり呼び方を変え
朧に沢山の言葉をあわせたのか?

静かに漂う真っ白な姿に
美しいと感じ、愛着をもって好きになり
その違いが見えたのではないか…

霞の過去を調べたら古代の日本人から
「見えないものに目を向けなさい」
何でもないものでもよく見ると
好きになるほどのことが隠れている

  • 灯り作家として 身近をデザインにする。 そんな発想を学びました


これら物語、エピソードを知ることで、
文様に対する愛着がさらに深まりました。

霞文様に込められた願いと共に、
心のこもったプレゼントを贈り

気に入った物語を自分なりに
誰かに話してみてください。

贈り物に「想い」が込められ
その価値が高まるのではないでしょうか

この記事の著者

和広

神奈川県 1980/02生まれ
灯りを使って楽しいことを考える人です。

懐かしさを新しく体験をコンセプトに
オリジナルの手作りの箱と最新照明を合わせた
「灯り箱〜あかりばこ」を考案。

個人のお客様から好評価1000の実績。
江戸の再現を目標に活動しています

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